第2管理地の植物2(蔓類)
 
蔓類(藤本)は、直立する幹を持たず、木本の幹等に巻き付くあるいは付着して成長する性質を有するもので、木本のものと草本のものとがあります。
   
蔓類の状況
ここは樹木が少ないところにアズマネザサが密生し、これを覆うように蔓植物が繁茂し絡みあって、ササの刈払いがなかなか進みません。蔓類は、カラスウリ、ヘクソカズラ、サルトリイバラ、フジ、ミツバアケビなどが主体です。
   
カラスウリ

カラスウリ科の多年草。密生する蔓類の中でもカラスウリが最も多いようです。葉は10セ ンチぐらいの大きさです。実は最初は緑で、次第に赤く熟します。
 
カラスウリの実

実は最初は緑
 
カラスウリの実

赤く熟しました。
 
ヘクソカズラ

アカネ科の草本。花は比較的きれいですが、臭いは強烈でその名に恥じません。実は熟せば黄褐色になります。
 
サルトリイバラ

木本の植物には珍しいユリ科です。関西では、柏餅のようにこの葉で餅を包みます。鋭いトゲがあり、藪を歩くとよく引っ掛かります。名前のように猿も引っ掛かって痛い思いをしているのでしょう。
 
サルトリイバラの実

実は赤く熟しました。
 
フジ

マメ科の木本植物。春には藤色の木から垂れ下がったきれいな花を見せてくれます。ただし、樹木にとっては厄介者です。この里山でも幹に強くからみつかれたり、上部を覆われたりして枯れたものが見られます。
 
フジの蔓

ここではコナラなどの大きな木に何本ものフジがからみついています。何十年も手入れがされていなかったのでしょう。直径10センチの太さに及ぶフジが絡みあっています。フジは植物学的には左巻きで幹にからみつき、これに対し関西以南に分布するヤマフジは右巻きといわれます。ただし、この左巻きは普通言われるものとは逆のようです。
    
アケビ

アケビ科の木本植物。落葉しますが、これに似て常緑のもの(ムベ)もあります。葉は小葉 が5枚からなる複葉で、秋には果皮が紫色の甘い実を付けます。
 
ミツバアケビ

アケビ科の木本植物で落葉します。その名の通り、葉は小葉三枚からなる複葉で、ここでは アケビより多く見られます。
 
ヤマノイモ

ヤマノイモ科の多年草。葉は対生(1カ所から葉2枚が対に出る)で、類似のトコロ類と区 別できます。秋も深まれば、葉は黄色く色づくでしょう。根はご馳走ですが、堀取るまでには骨が折れます(買った方が良い!?)。一方、ムカゴは地上部に付き、蒸かせばちょっとしたおやつになります。この場所ではヤマイモを掘った穴があちこちに見られます。
 
オニドコロ(トコロ)

ヤマイモ科の多年草。葉は互生(一枚ずつ交互に葉が着く)します。根はヤマノイモのように芋状になりますが、苦く、毒成分があるといわれていますので間違えて食べないように注意が必要ですね。
 
ヒメドコロ

ヤマノイモ科の多年草。葉はヤマノイモによく似ています。オニドコとよく似ており、区別は難しいようです。
 
アオツヅラフジ

ツヅラフジ科の木本。きれいな青い実を付けています。
 
キヅタ

ウコギ科の木本。ツタはブドウ科で、冬に葉を落とすのでナツヅタと呼ばれますが、キヅタは常緑で冬でも葉を付けているのでフユヅタとも言われています。(ここではツタも見られますが、撮影を逃し、葉が落ちてしまいました。)
 
タンキリマメ

マメ科の草本。さやは赤く実は黒で鮮やか。葉は、クズを小型にした小葉3枚からなる複葉。写真は、葉が枯れて、実だけとなっています。
   
  
 




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